やってみた!

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SF:三体 劉 慈欣

 三体を読了したので紹介します。

 三体は劉 慈欣のSF3部作で2008年に中国で刊行。SF作家ケン・リュウにより英訳翻訳された英語版が2015年にアジア初のヒューゴ賞を受賞した。日本語版の第1巻は2019年に販売開始された。

 本書の主人公は2人。1人は現代の中国に生きるナノマテリアルを専門とする教授、汪淼(ワン・ミャオ)。頭は良いが特に行動力があるわけではない、比較的普通の人物。ある日、あるあやしげな団体の捜査に協力することになってから、彼のまわりで不思議な現象が起こり始める。とまどいながら事件の捜査に協力していく彼とともに、大きな陰謀とその背後の謎の現象の正体がすこしづつ明らかになっていく。

 もう1人の、そして真の主役は葉文潔(イエ・ウェンジエ)という女性物理学者。生きていくのが辛い、激動の中国社会を生き抜いてきた。社会に翻弄された彼女が衝動的に取った過去の行動が、現代、そして未来に渡って人類の運命に暗い影を落とします。

 中国人の登場人物の読み名が難しく、登場人物表なる読み方が書かれた厚紙が付録についてたが慣れる前に読み終えてしまいました。最初に延々と続く過去の暗いパートも文潔の生き様を理解するのに避けられないエピソードなので、飛ばさないで我慢して読みましょう。そこを過ぎたら、謎の現象及び正体が気になって一気に読み進められます。 

 本の終わりに近づいても完結する兆しがなく、おかしいなと思いつつ読み終えてから3部作ということを知りました・・・。

 3部作の英語版の題名は次の通り。

  • THE THREE-BODY PROBLEM
  • THE DARK FOREST
  • DEATH'S END

 英語版は原書刊行後の科学の進歩にあわせて若干アップデートされていて、日本語版作成にあたっては訳者の大森氏が中国語版と英語版を慎重に比較した上で再構築したとのこと。

 2作目のTHE DARK FORESTの日本語版は2020年刊行予定。

 若干テイストは違いますが「星を継ぐもの」が面白いと感じた方は本書も楽しめると思います。

では。 

三体

三体

 

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